本を売るならブック☆フ~♪
売る前に、入院中に読んだ本のベスト10を。

何かしらの賞をとったり、映画化されたりしたものばかりなので、
正直、どれもかなり面白かった(はず)のですが、
中を読み返さないで、題名と裏表紙のあらすじを読んで、
「あっ、これ面白かったなぁ」と思い出せたものがちょうど10作。
映画化されたものなどは「面白くて当たり前」と思ってしまったり、
入院中、気分が暗くなりがちだったので、
救いのないもの(ラストに主人公が死ぬ、全員不幸のままなど)は
面白いと思えなかったりで、あまり公平でないです。
独断と偏見で。
「翳りゆく夏」by赤井三尋
「誘拐犯の娘が新聞社の貴社に内定」という週刊誌のスクープ記事をきっかけに、その大手新聞社が、20年前の絵新生児誘拐事件の再調査を開始する。社命を受けたのは窓際社員の梶。彼は事件当時、事件の起きた横須賀の担当記者だった。取材を重ねるうちに導き出される封印されていた過去。悲しい真実。第49回江戸川乱歩賞受賞作。
解説にも書かれている「推理小説の価値は、謎の多さではなく謎のブレンドの仕方」という言葉がストンと腑に落ちる。フィクションなのにリアリティがあり、登場人物一人一人に温もりを感じるためか、主人公以外の人物にも感情移入してしまい、いつの間にか小説に引き込まれていく。導き出された真実は悲しいけれど、不思議と読み終えた後にすがすがしい感じ。
「チルドレン」by伊坂幸太郎
「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに巻き込む困った男なのに、なぜか憎めない陣内。彼を中心に、その友人鴨居や永瀬の周りで起きる何気ない事件の数々。ファニーで心温まる連作短編小説。
反抗的でひねくれやの陣内。でも実は温かい。憎たらしいけど憎めない、そんな彼と彼をとりまく友人や後輩の周りで起きる出来事が、遊び心いっぱいに描かれている。なんだかよく分からないけど、おもしろい。読んだ後に凹まない。凹んだ時に読めば気持ちが軽くなる。そんな小説。
「間宮兄弟」by江國香織
2人暮らしの間宮兄弟の日常について淡々と描かれている。他人から見たら多少ヘンな生活ぶりでも、本人たちにとっては快適?
いい年して兄弟で二人暮らし?と最初は思うけど、読んでいるうちに、自分もその生活に参加したくなってくる。小さな日常を丁寧に生きている、その感覚は平成ではなく昭和風。モテない彼ら、多少ヘンな彼ら、でも不思議と読み終わった後、あわただしく生活している自分の方がヘンなのかも?なんて。
「99%の誘拐」by岡嶋二人
末期がんに侵された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を閉じた。そこには8年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた、そして12年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行われる。その犯行はコンピュータによって制御され、前代未聞の完全犯罪が幕を開ける。第10回吉川英治文学新人賞受賞。
コンピュータ制御によって行われる完全犯罪というと無機質で冷たい感じだけど、情景描写や心理描写が効果的で、キャラクターの気持ちがうまく伝わってくる。小説のかなり初めの部分で犯人がわかってしまうのに、最後までスピードにのって読み終えてしまえる。「力」を感じる。2つの犯罪、2つの孤独がうまく交差している。どちらの犯人も不思議と憎めない。こんな犯罪ありえない!なんて思わずに読めばきっとおもしろい。
「明日の記憶」by荻原浩
広告代理店営業部長の佐伯は、齢50にして若年性アルツハイマーと診断された。仕事では重要な案件を抱え、一人娘は結婚を間近に控えていた。銀子pんしきをすませた妻との穏やかな思い出さえも、病は残酷に奪い去っていく。山本周五郎賞受賞作。
泣いた。病院のベッドで泣きながら読んだ。自分が主人公だったら、妻だったら、娘だったら、彼を貶めようとした会社の部下だったら、数万円のために彼をだました男だったら、と思いをめぐらせた。この病で失う(可能性がある)のは記憶だけじゃなくて、仕事や家族の愛、当たり前にあった人への信頼や自らの尊厳。失ったものは多いけど、本当に大切なものは失っていない(と思えた)から、悲しいけど、きっと彼は不幸じゃない。今度はもっと丁寧に読み返したい小説。
「君たちに明日はない」by垣根涼介
「私はもう用済みってことですか!?」リストラ請負会社に勤める村上真介の仕事はクビきり面接官。どんなに恨まれ、なじられ、泣かれても、なぜかこの仕事にはやりがいを感じている。建材メーカーの課長代理陽子の面接を担当した真介は気の強い8つ年上の彼女に好意をおぼえるのだが・・・。
「リストラ」=「君たちに明日はない」ということなんだろうか?でも、読み終えた感想としては、=「君たちに明日はある!」いや「私にも明日がある!」といった感じ。かと言って、そんなことありえないだろ?的なお助け話ではなく、リストラを勧告されたそれぞれの人物の明日に、救いはあるけどちゃんとリアリティがある。重い励ましではなく、軽い勇気をもらえる感じ。私もがんばるかなって感じ。好きだな。
「ワイルド・ソウル(上・下)」by垣根涼介
1961年、衛藤一家は希望を胸にアマゾンに渡った。しかし、彼らがその大地に降り立った時、夢にまで見た楽園はどこにもなかった。戦後最大の愚政<棄民政策>。その40数年後、3人の男が東京にいた。江藤の息子ケイ、松尾、山本、彼らの周到な計画はテレビ局貴社の貴子をも巻き込み、歴史の闇に葬られた過去の扉をこじ開けようとする。 大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞受賞作。
おもしろい!と思った作家の作品は全部読みたいタチだけど、実際に読んでみて、最初に読んだものほど感動することはほとんどない。が、この作家のものは違った。「君たちに明日はない」もおもしろかったけどこの「ワイルド・ソウル」も、まったく味わいが違うのに(違うからこそ?)おもしろい。今では考えられない「棄民政策」。「夢の楽園」という言葉に騙されアマゾンに置き去りにされる人たち。小説はその苦労話だけにとどまらず、政府への復讐へとつながっていくのだけど、ラストがどうなるか早く読みたくてドキドキしたまま読み進められた。これは台湾に持ち帰ってダンさんにも読ませねば。
「邂逅の森」by熊谷達也
秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。鉱山で働くものの山と狩猟への思いは断ち切れず、再びマタギとして生きる。直木賞、山本周五郎賞受賞作。
「小作農」「マタギ」「地主」「鉱山」など、現代ではあまり聞かれなくなった言葉がキーワードの小説で、買ったはいいものの、自分とはまったく共通点がないので読んでも共感できそうにないなぁと、最初なかなか手がでなかった。が、読んでみるとこれがすごくはまった。富治の生き方は本能的で、村を追われたり仕事を失ったりと愚かと言えば愚かなんだけど、「マタギ」であることだけは最後まで捨てられない。山の持つ力が文章を通じて伝わってくるような、静かな迫力を持つ小説。
「時の渚」by笹本稜平
元刑事で、今はしがない私立探偵である茜沢圭は、末期がんに冒された老人から。35年前に生き別れになった息子を捜し出すように依頼される。茜沢は息子の消息をたどる途中で、自分の家族を奪ったひき逃げ事件との関連を見出す。第18回サントリーミステリー対象、読売賞受賞作。
何の根拠もなく「時の渚」というタイトルから、おもしろくなさそう?と思ってしまった。「元刑事」「私立探偵」「生き別れになった息子」という設定もありきたり?と思ったり。でも実際に読んでみると、キャラクターも魅力的だし、依頼された人捜しと家族をうばったひき逃げ事件との関連性がうまく絡まりあって、ラストが見えたと思ったら実は!?の二重三重のどんでんがえし。ラスト末期がんに冒された老人が語るシーンに涙。
「クライマーズハイ」by横山秀夫
1985年、御巣鷹山に未曾有の航空機事故発生。衝立岩登攀を予定していた地元紙の週遊軍記者、悠木和雅が全権デスクに任命される。一方、共に登る予定だった同僚は病院に搬送されていた。組織の相克、親子の葛藤、同僚の謎めいた言葉。あらゆる場面で己を試され篩に掛けられる。
1985年の日航ジャンボ機墜落事故、当時子供ながらに何かえらいことが起きた!と思ったことを覚えている。主人公である悠木はいくつものトラウマを抱えている。ネガティブなイメージもあるが、やさしく、記者としては芯なるものを持った人物。悠木が選択をせまられるさまざまなシーンで、私も選択をせまられる(ような気がする)。人はどうやって生きるべきなのか。ちょっと詰め込みすぎかな?という気もするけど、盛りだくさんで読み応え十分。
関係ないけど、最近こんなん食べました。

なつかしのミルクキャラメルのパッケージに惹かれ。
プチトルテをがじっと。

パックンチョのアップルパイとプリン味も買っちゃったり。
もう体重増加はとどまることを知りません・・・。
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